武田薬品工業の印象は?|就職・転職するなら意識したい事

武田薬品工業は日本1位の製薬会社です。そして、世界売上ランキングでは9位となります(2019年度)。

業界1位の企業に入社する事は憧れるかもしれませんが、大きい会社だから後悔しないか?は別の話。

ここでは、出入り業者が感じる武田薬品工業の印象と就職・転職におすすめかをお伝えします。

なお、私は開発部門や購買部門との面談が多く、その他部門についてはほとんど分かりません。

また、個人的の感想であり、武田薬品工業について、正しく理解していないところもある事を事前にご了承下さい。

売上や事業内容の概要はwikipedieaを参照下さい。wikipedia(武田薬品工業)

 

武田薬品工業の印象

日本企業だけどほとんど外資系だよね

これが、同業者で一致している印象です。実際、役員の大半は外国人であり、日本人の意向がどの程度反映されるのか疑問です。

代表取締役社長CEOのクリストフ・ウェバー氏からは、日本企業としての歴史を重んじる発言もよく聞かれますが評判は色々・・・。

こう書くと、武田薬品工業は外資系のドライな印象を持たれるかもしれませんが、中間管理職を含む日本の従業員の雰囲気は好印象です。現在は東京に研究拠点を構えてますが、元々は大阪に拠点を構えていた事もあり関西出身者が多いのがその一因かもしれません。

いずれ、外資系や東京の雰囲気に染まっていくのかもしれませんが、当面はノリの良いメンバーの比率も多く職場環境は良いのではないか?というのが私の印象です(筆者が関西人なのでやや大阪寄りのコメントです)。

私が面談する際も堅苦しい雰囲気ではなく、また上から目線でもなく、お付き合いしやすい会社だと感じています。製薬企業にも色々ありますが、武田薬品工業は雰囲気の良い会社の1社だと思います。

 

マーケットからの印象はいまいち

企業を評価する1つの方法として株価を参考にするのもいいかもしれません。

武田薬品工業は、グループを分社化する事で、新薬を効率よく上市させる事が可能な企業になっています。開発領域を「がん」「消化器」「中枢神経」の3領域に絞り込むことも効率UPに寄与しています。

ただし、企業買収により企業としては大きくなりましたが、無借金経営から一転して、多くの負債を抱えるようになっています。この辺りがマーケットからの評価がいまいちな理由かもしれません。株価はこんな感じです。

武田株価yahooファイナンスより

直近の最安値はコロナショックの影響とはいえ、それがなくても、2018年1月以降、株価は低迷しています。

特に2018年のシャイアーの買収は日本企業のM&Aで過去最高額(6兆8,000億円)だった事もあり業界でも大きなニュースでした。今のところ、この買収については否定的な意見の方が目立ちます。

製薬業界では有望な新薬候補があれば、新薬候補のみを導入(購入)するケースに加え、会社ごと買収してしまう事もよくあります。それを超大規模でやったのがこの買収です。シャイアーは有望な新薬候補を持っているとされ、数年後にこれらの開発に成功すればこの買収は大成功と判断されるでしょう。

以下、wikipediaを参照し、過去10年で印象深かった出来事をまとめました。

過去10年の主な出来事
2011年9月
スイスの製薬大手、ナイコメッド社の買収を約1兆円で完了

2013年11月
クリストフ・ウェバー氏の社長就任発表

2014年10月
2型糖尿病治療剤「アクトス」訴訟問題で原告主張を認める陪審判決
最終的に3,241億円での和解となり、初の最終赤字となった(2015/4発表)

2016年1月
「がん」「消化器」「中枢神経」の3領域に絞った開発をする事を発表

2017年2月
米国のがん関連の医薬品企業、ARIAD Pharmaceuticals, Inc.を買収
4月以降、複数の事業整理(分社化)を実施

2018年5月
アイルランドの製薬大手シャイアーを760億ポンド(日本円にして6兆8000億円)で買収する事を合意

 

武田薬品工業から分社化したスペラファーマの話

2017年に武田薬品工業は事業整理を行いスリム化しました。その中でもインパクトが大きかったのが、主力部門であったCMC研究部門の分社化です。

CMC研究部門というのは、簡単に言えば候補となる医薬品化合物を商用化するまで長い年月をかけて研究するところです。

このCMC研究部門が、武州製薬(製剤受託企業)の子会社として、2017年7月にスペラファーマとして設立されました。

スペラファーマは元武田薬品工業の従業員から構成されており代表も日本人となります。

武田薬品工業の長年の英知が集約され、また、社風も引き継がれています。

現在は、自社創薬は行わず他社から依頼を受けて、新薬を商用化する仕事が主な事業となりますが、業界内でも信頼される企業の1社です。

ただし、分社化当時は武州製薬の子会社でしたが、現在はイワキ(商社機能を持つジェネリック医薬品会社)の子会社となっております。

他の受託企業の比べて人件費がものすごく高いらしい…そりゃそうなるよね。

 

武田薬品工業だから出来る事

例え、マーケットからの評価が低かろうが、他の製薬メーカーに出来ない事が出来るのが武田薬品工業です。

現在、研究拠点を構える湘南にある湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)は、外部の業者にも開放し、60社以上の企業が入居しています。

https://www.shonan-health-innovation-park.com/

大手製薬メーカー、ベンチャー企業、機械メーカー、IT系等、日本でこれだけ製薬関連の企業が集約している施設は他にありません。日本の製薬開発の情報がここに集まっていると言うのはオーバーかもしれませんが、その可能性を感じさせる拠点です。

今度、別の製薬メーカーが同じような事を始めても、湘南アイパークほどのインパクトは出せないのではないでしょうか。これは、世界ランカーの武田薬品工業だから出来たことかもしれませんね。

また、この湘南アイパークでは新薬開発に関する情報提供、資金提供も行っており、パートナー企業と一緒に新薬を世に送り出そうとする姿勢がうかがえます。日本企業として頑張って欲しいところです。

ものすごいスケール過ぎて、屋内の移動もすごい時間がかかる…

  

武田薬品工業への転職はおすすめか

それでは、武田薬品工業への転職がおすすめか?と聞かれれば・・・

あなたにその実力があればチャレンジして欲しいというのが私の回答です。

その実力があるのなら、新薬を世の中に出すためにあなたの力を注いで欲しい。

武田薬品で働くという事は、世界中の人類に貢献するという事です。これって素晴らしい事ですよね。

また、大きい仕事がしたいなら業界No.1の企業に入社すべきです。ただ、優秀なメンバーが多く希望通りの仕事が出来る人は一握りかもしれません。自分に厳しく、そして、力を磨いていきたい人にとって、武田薬品工業はおすすめの企業と言えるでしょう。

ただし、他の日本企業でも、海外市場で活躍している製薬企業はたくさんあります。例えばロシュグループの中外製薬です。

ロシュに買収された形となりますが、子会社というよりはロシュグループの立場を上手に利用している印象が強い。

株価は武田薬品工業とは異なり上がりっぱなしです(というか、他の製薬メーカーでもこんな株価のところはなかなかありません)。

 

中外製薬株価

中外製薬株価

yahooファイナンスより

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より製薬業界全体については説明した「製薬業界の営業は未経験OKで給与も高い!転職可能な企業の探し方」も参考にして下さい。

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