転職では資格があっても意味がない?PRし過ぎない方がおすすめ!

世の中は資格ブーム。

ご当地検定のように趣味で取る資格もあれば、この記事をご覧になっているあなたのように「転職やスキルアップの武器に」とお考えの方もいらっしゃると思います。

しかし、果たしてそれは正しいでしょうか?

資格をこれから取ろうとする方、すでに取った方への資格の活かし方をご案内いたします。

目次

資格取得の勉強が原因で不採用になったケース

私の会社で実際にあったケースです。

中小企業診断士の資格の勉強中の候補者が応募してきました。

その時の上司のコメントは、

「中小のオーナー企業でそんなヤツいらん。ややこしいだけやろ。」

確かに部下に企業経営について、あれこれ言われたら面倒だよね。

本当に会社のためになる知識であっても、それが必ずしも正しいとは限らないという例です。

資格についての矛盾と誤解

資格を取ること自体は素晴らしいことです。

その最大のメリットは、身に付けた知識が可視化されるということです。

例えば、「簿記を勉強しています」と言っても、どの程度の知識があるか、面接官には分かりませんが、「簿記2級を取得しています」と言えれば、株式会社の会計はある程度できる知識はあるんだな、という事が分かります。

しかし、そこにこそ、資格についての落とし穴があります。

資格は「誰もが知っている資格」でなければ伝わりにくい

例えば、前記した簿記の例でいえば、一般的には日本商工会議所が主催する「日商簿記」を取る方が多いと思います。

しかし、簿記検定を実施しているところは他にも、全国経理教育協会という団体が主催している「全経簿記」という種類もあります。

どちらも2級レベルは似た知識を求めていますが、ポピュラーなのは日商です。

知識やスキルが可視化されて伝わる資格というのは、いわゆる人気資格に限定されてしまうのです。

そして、そこにさらなる落とし穴が待ち構えています。

人気資格であればあるほど、取っている人は多い

当たり前のことですが、面接官にも伝わる人気資格というのは、取っている絶対人数も多い資格です。

年間何百人も選考している人事の面接官からみたら、「またか」と思われるのです。

人気資格であればあるほど、取っている人は多く、それだけ面接官は資格ホルダーに会っている機会は多いです。

ということは、資格を取ったことに対する「プレミアム」というのは、取った側が思っているほど高くないのです。

こうした事情もあって、転職するために資格は、強力な武器にはなりえない性質があります。

難しい資格であれば転職に有利になるか?

では、人気資格かどうかという点から離れて、いわゆる難関資格にチャレンジする場合はどうでしょうか?

例えば、前職が営業職だった方が、コンサルタントへの転身を果たすために、中小企業診断士の資格を取った場合で考えてみましょう。

言わずと知れた難関資格ですし、コンサルタントでも持っている方が多い資格です。

しかし、中小企業診断士を取得したことと、コンサルタントになれるかどうかは別問題だと考えるべきだと思います。

理由は、あなたが、コンサルタントを頼むクライアントの立場として考えてみればわかるでしょう。

中小企業診断士の資格があるからといって、何百万円もの手数料を払いますか?

あなたが頼みたいコンサルタントは「中小企業診断士の資格を持っているコンサルタントではなく」「自社の経営改善に成果を出してくれるコンサルタント」のはずですよね?

コンサルタントとして採用したいコンサルタント会社の人間も同じ思考です。

コンサルタントとして必要な分析力・問題解決思考、提案力・交渉力を持った人を採用したいのであって、単に資格があったから採用したい、というようにはならないはずです。

難しい資格であれば高い報酬を得られるか?

では、いざとなったら独立できるような資格、その資格でなければ仕事が出来ない資格ではどうでしょうか?

代表的な例では弁護士や公認会計士というものが挙げられると思います。

こうした職種も、最近は独立ばかりではなく、企業内で活躍されている方もいらっしゃいます。

しかし、実際には思った通りには報酬を得られていないのが現状です。

私が少し調べた限りですが、企業内で働いている弁護士や公認会計士の平均的な報酬は、1千万円を少し切る程度だと思われます。

こういっては何ですが、大手上場企業の次長クラス以上の方で、この程度の年収を得ている方は他にもたくさんいらっしゃいます。

一方で、弁護士や公認会計士は、取得することが超難関なだけではなく、時間と金がかかっている資格です。

取るだけで数年の時間と何百万円もの先行投資をしている方も多く、しかも、「超難関」なので誰でもなれるわけではありません。

リスクが高いうえに、せっかくなれても思ったほど年収がもらえるわけではないのです。

資格を取ることを「現実的」に考えよう

では、資格を取ることはどのように考えるべきでしょうか。

私は、資格スクールの宣伝文句に踊らされることなく、もっと「現実的」に考えるべきだと思います。

次の①~③のように考えるのがおすすめです。

①資格を会社が必ず「重宝」してくれるわけではないと考えよう。会社はあなたを採用する決め手は、「資格」ではなく、「実務能力の有無(そのポテンシャル)」だと考えよう。

②キャリアチェンジで資格を取得する場合は、資格だけではなく、「実務」についても勉強し、その対応力をアピールしよう。

③資格を取得したからといって、日常業務のスキルアップを疎かにしない。むしろ、日常大事にしてきた強みにこそ、キャリアチェンジ、キャリアアップのヒントが隠されている。

資格がなければ出来ない仕事もありますが、資格があるからといって企業が欲しがるか?はまた別の問題って事ですね。

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