CDMOへの転職/バイオと低分子の受託製造の現状

以前、未経験で製薬業界に転職するならCDMOが良いよって記事を書きました。以前は穴場的な業界として紹介しましたが、最近では注目度が上がってるいるようです。CDMOは大きく分けるとバイオ系と低分子系に分かれますので、今回はバイオと低分子に焦点を当てて現状を紹介します。なお、私はどちらかというと、低分子系のCDMOに詳しい人間です。

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盛り上がっているのはバイオ系

最近、CDMOの話題になるのはバイオ系です。医薬品の主役が低分子からバイオ医薬品への移行期であるとともに、バイオ医薬品の成長見込みが非常に大きく(従来品の約2倍で年率10%程度)、製造拠点が不足しているからCDMOも将来性が期待されています。

医薬品の売上ランキングを見ると、上位を占めているのはバイオ医薬品です。大手主要メーカーの開発パイプラインを見てもバイオ医薬品が増えています。

海外と日本のCDMO比較

そして、海外と日本とを比較すると、日本のバイオ系CDMOは完全に出遅れています。これは、日本の新薬開発メーカーにバイオ医薬品の開発パイプラインが少なかった事も関係すると思いますが、とにかく、バイオ医薬品のCDMOでは海外が圧倒的です。具体的には、ロンザ、サムスン、ベーリンガーインゲルハイムがリードしています。

日本で最近CDMOが盛り上がって来た背景には、こういった海外勢に追いつこうとする一部のCDMOの勢いが増してきているからです。代表的なところは、富士フイルム、AGC等でしょうか。特に富士フイルムは投資規模が数千億であったりと、他のCDMOを圧倒している印象です。
※ 第11回 産業構造審議会 商務流通情報分科会 バイオ小委員会 議事録参照

低分子からバイオへの移行は難しい

医薬品開発は法令が厳しく新規参入が難しい業界と言われています。低分子化合物を生業にしてきたCDMOからすると新規参入による競合が少ない事もあり、安定した売上を維持していました。会社規模としては売上は100億円前後で、オーナー企業等の中小企業が多い印象です。

低分子とバイオは全く別物で設備も技術も共通するところがほぼなく、低分子化合物主体のCDMOがバイオ医薬品に参入するのは簡単ではありません。売上100億円規模の会社が開発から製造まで十分な設備、人を確保するのは難しいというわけです。

バイオ系CDMOの主導権は?

ということで、従来からの低分子を中心としたCDMOがバイオ系にまで手を広げるのは難しいのが現状です。資金が圧倒的に足りてません。

今後、勝ち残っていくのは、自社製品を持っているメーカーが受託も行うケース、買収を繰り返して巨大化していくケース(ロンザや富士フイルムのケース)だと推測しています。バイオ系CDMOを狙うならこういった企業がキャリアアップには最適と言えるかもしれません。

低分子のCDMOは終わり?

今後のCDMOの主役はバイオ系になりそうである事は先に記載した通りです。

 

低分子系のCDMOは終わりなのか?

について、考察してみましょう。

10~20年程度は大丈夫でしょう。以下、開発パイプラインの比率です。将来、低分子の比率がさらに低くなる事は想定されますが、新薬の後にはジェネリック医薬品も続きますし、今後、低分子がなくなるわけではありません。

主要製薬企業の国内開発パイプライン-創薬モダリティの比率-
AnswersNewsより
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/22203/

また、製薬業界の流れとして、自社での開発・製造からアウトソーシングの傾向が強くなってきており、低分子の比率が減ったからといって、外注案件が減るとは限りません(増えるかも)。

転職するならどんなCDMOが良いか?

バイオ医薬品に強いCDMOを狙うのが流れに沿った考え方だと思います。ただ、CDMOの求人は多くなく、さらにバイオ系に限定してしまうと、求人にめぐり会える機会がほとんどなくなると思います。よって、バイオ系に限らず低分子系のCDMOも候補に入れる方が現実的です。

低分子は今後衰退していく可能性も示しましたが、低分子系のCDMOは設立してから数十年経過し、経営基盤がそこそこしっかりしているケースが多いかと思います。成長戦略をしっかり描いているCDMOを探してみましょう。

バイオ医薬品が主流になっても大丈夫な低分子系CDMO

CDMOと言ってもピンキリですが、バイオ医薬品については見て見ぬふりをしてるであろう会社、しっかり意識して備えている会社等、色々です。

流れに任せて衰退するかもしれないCDMOに転職するのは避けたいですよね。それを判断する1つの材料として、注射剤の受託が出来るかどうか?はちょっと注目したいところです。

低分子化合物でも注射剤は多いのですが、バイオ医薬品も注射が多い。つまり、低分子化合物で注射剤の受託している会社はバイオ医薬品の受託案件も獲得しやすいと考える事が出来ます。現在、元気のあるCDMOは注射剤を受託しているところが多い印象です。

注射剤の製造可否のみで判断するのも危険ですが、これからバイオ医薬品の比率が増えていく事を考慮すると意識しておきたいポイントです。

業界経験者が注目しているCDMO

本記事で紹介したCDMO以外に、この業界に転職するなら知っておく方が良いCDMOについて簡単に紹介したいと思います。転職をおすすめしているわけでも、優良企業である事を示唆しているわけではありませんがみんな知ってる会社です。

シオノギファーマ

最近話題のCDMOと言えばここでしょう。塩野義製薬が生産機能を持つ工場等を切り離し、シオノギファーマとして設立されました。塩野義製薬のグループ会社ですので、塩野義製薬から安定的に仕事を請け負い経営は安定しているはずです。当然、設備投資も定期的に行う事が可能でしょう(実際に行っている)。

開発から商用まで対応していますので幅広い業務を請け負う事ができ、各社との提携にも積極的。私が見る限り今は一番勢いがあるんじゃないかなと思っています。

WEBサイト:https://www.shionogi-ph.co.jp/

シミックグループ

CDMOとして設備的にも充実した会社。バイオ医薬品への対応も確実に行っています。国内のみならず海外に拠点を持ち、何でも出来る(出来ない事は対応していく)印象です。王者の風格漂うCDMOです。開発から商用まで幅広く対応。

WEBサイト:https://www.cmicgroup.com/

スペラファーマ

武田薬品の研究部門が独立して設立した会社です。2017年当時、製薬業界内が騒めきました。シオノギファーマのように塩野義製薬と同じグループ会社に属しておらず、武田薬品からは完全に切り離されたCDMOとなります。商用生産には対応せずに開発業務と治験薬製造までがサービスとなります。

WEBサイト:https://www.spera-pharma.co.jp/

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