転職活動の最後にして最大の難関が、内定後の会社選びです。
ダントツの第1希望に決まったならば話は別ですが、多くの場合、複数の同じような選択肢から、入社する企業を絞り込まなければなりません。
どうすれば納得のいく選択ができるでしょうか?経験から編み出した、とっておきの方法をご紹介!
内定企業に入社を決めるはマリッジブルーと似てるのかもしれない
転職活動がうまくいくに越したことはありません。多くの方は、とんとん拍子に面接がうまくいき、いざ内定の連絡を受けた時点で、達成感と同時に不安も押し寄せてきます。
なぜなら、「面接に通ること」に頭が一杯で、内定した企業が本当に入社したい企業か、じっくり考えていなかったからです。
多くの転職者は、内定先の企業について、入社を決定するための十分な情報を持っていません。せいぜい、転職エージェントからもらった求人票、WEBサイトで見た会社の概要、そして数回の面接による印象といったところでしょう。本当に自分が入社したい企業なのかどうか、振り返ってみる必要があります。
婚約した花嫁が陥るマリッジブルー。この男性と結婚しても良かったのだろうか?もしかしたら、もっと先に運命の相手が待っているのかもしれない。結局は、自分で納得出来るかどうか?・・・なのかな。
今回は、ある30代前半の男性を例にして、複数似たような業態のメーカー(A社、B社)から内定が出たケースを題材して、納得のいく会社選びをする方法を考えてみましょう。
納得するために数値化してみよう
実際にやっていただいたことは、改めて自分が転職を決めるにあたっての優先的な条件を書き出してもらうことでした。この方の場合・・・
- 職務内容、やり甲斐
- 業界での地位(大手か中小か、など)
- 勤務地
- 年収
- 社風その他
といったところです。
そこで、今度は、100点満点方式で、①〜⑤に自由に配点を割り振ってもらい、点数表を作ってもらいました。
イメージはこんな感じですね。
【A社の評価表】
項目 | 配分 | 結果 |
職務内容、やり甲斐 | 40点 | 28点 |
業界での地位 | 20点 | 18点 |
勤務地 | 10点 | 8点 |
年収 | 20点 | 17点 |
社風その他 | 10点 | 7点 |
合計 | 100点 | 78点 |
この時、大事なポイントは、もう一度会社情報や手に入れられる限りの資料、転職エージェントを通じて問い合わせるなどして、必要な情報を集めなおすことです。
転職活動中は、日程に追われて十分に確認できないまま面接にのぞむことも往々にして起こります。
多くの方が、自分が知らない情報(プレスリリースに新規事業の情報が載っていたなど)があったり、誤解していた情報(A社とB社の売上高を取り違えるなど)があったりすることを思い出すでしょう。
点数表の作成は、ご自身が客観的に内定先の企業を見直すきっかけを作ってくれるものです。
さて、男性の場合、
A社:78点
B社:85点
全ての項目でB社が上回っていれば、迷わないかもしれませんが、そう簡単にはいきません。数値化する事で、自分が優先すべき点が改めて見えてくるものです。あくまでも納得するための数値化ですので、ここでモヤモヤっとしたものがあれば、それを追求してみましょう。
そして、気になる事は転職エージェントを通じて各企業に質問すれば良いのです。転職エージェントを利用した転職の場合、質問も比較的簡単に出来ますので、上手に利用しましょう。
納得するというのは意外に難しい
多くの転職エージェントでは、紙で比較することすらせず、2人の間でああでもない、こうでもないと漫然と対話のやり取りをしているにすぎません。
その場合、ご自身が大事にしている転職の価値観を見落とすリスクがあるのです。
繰り返しますが、転職はリスクの高い行為です。ご紹介したケースでも、まだ漏れている検討項目はありますし、そもそも入社してみなければ分からないこともあります。
それでも決断しなければなりません。
大事なことは、その決定のプロセスに合理的なアプローチを用いているか、なるべく不明な点を消去したうえで、自分の転職軸を大切にした決断をなしたかどうかということです。
せっかく努力してここまで漕ぎ着けたのです。好い加減に決めるのではなく、丁寧に考えてしっかり決断しましょう。